梅雨に備えて……どこがどう違うのか?「抗菌」「除菌」「殺菌」「消毒」の意味

高温多湿な梅雨の時期に気になるのが、住まいのカビや菌の繁殖です。
インフルエンザやO157などの感染症や食中毒事故が起こるたび、人々の衛生に関する意識はますます高まり、「菌」に対して敏感に反応するようになりました。
それにあわせて世間では「抗菌」「除菌」を訴求した商品が多く並んでいます。ほかにも「殺菌」や「消毒」と書かれている場合もあって、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。どこがどう違うのか気になりませんか?
「抗菌」や「除菌」などの言葉の意味の違いとそれぞれの関連商品を、特に住まいの水まわりで使用することを想定して整理しました。

細菌の繁殖を防ぐ「抗菌」

細菌の繁殖を防ぐ「抗菌」

細菌が繁殖するのを長時間防ぐのが「抗菌」です。
細菌は大量に増殖すると生物へ悪影響を及ぼしたり、ヌメリや悪臭を発生させたりします。それらを予防するためには、細菌の数を増やさないことが大切です。
表面につく細菌を、増殖させないように加工されている製品を抗菌加工製品といいます。日本工業規格(JIS)の規定では、加工されていない製品と比べて細菌の繁殖が100分の1以下に抑えられている製品のことです。
抗菌にはすでにある細菌を殺したり、減少させたりする効果はありません。また、繁殖を抑制する効果がある対象は細菌だけです。
ユニットバスには必ずと言っていいほど抗菌加工製品が使われています。他にも洗面器、便器、クッションフロアーなど、水まわりで使用できる幅広い製品があります。最近では掃除後のトイレや浴室にスプレーして、水まわりの細菌の繁殖を抑える抗菌仕上げ剤も販売されています。
使用している製品に「抗菌」と謳われていると安心ですが、抗菌加工製品でも汚れてしまうと効果が発揮できません。適度にお手入れをして、水まわりを清潔に保つ必要があります。

「抗菌」は、薬剤よりもお風呂場やトイレ用品など水まわりの設備・用具に使われることが多い表現のようです。抗菌加工製品には抗菌製品技術協議会のガイドラインで品質管理や情報公開が行われており、準拠した製品には「SIAAマーク」が付けられています。
浴槽や便器だけではなく床や壁材などの製品も揃っています。水まわりのリフォームをする際には、この「SIAAマーク」を気にしてみてください。

「抗菌」の製品例
キッチンカウンター/食器洗いスポンジ/浴槽・ユニットバス/手すり/便器・便座/床材・壁材/バスマット/洗面台/洗濯機/生ごみ防臭剤/抗菌スプレーなど

「除菌」で微生物の数を減少する

「除菌」で微生物の数を減少する
除菌は物や空間にある微生物の数を減らすという意味です。
キッチンやお風呂場など、水をよく使い湿度が高くなる場所のヌメリや悪臭は、原因となる菌などの微生物を除菌して減らし予防します。
化学的に実証された根拠があれば「除菌」という表現を使うことができます。洗剤・石けん公正取引協議会で定められている規約では、ブドウ球菌と大腸菌の数を除菌していない場合と比べて100分の1以下に減少させる能力となっています。除菌効果は漂白剤や消臭スプレーのパッケージで目立つ訴求がなされていることが多いですが、除菌を訴求する際には、誤った拡大解釈を避けるため商品ラベル等に「すべての菌を除菌するわけではない」という表記が必要です。また、インフルエンザなど疾病予防に効果があるという表現は認められていません。

ウォシュレットでおなじみのTOTO製品には、水道水から除菌成分を作り出す「きれい除菌水」という機能があり、キッチンの水栓や温水洗浄便座など水を出す部分に使われています。水道水に含まれる塩化物イオンを電解層で電気分解し、次亜塩素酸を含む水にしたものが「きれい除菌水」です。薬品を使わなくても水道水から除菌成分が作れるうえ、時間がたつと元の水に戻るので有害物質が残る心配がありません。
また、拭き掃除に使用するアルコール(エタノール)の効果も「除菌」です。

「除菌」の製品例
台所洗剤/衣類洗剤/トイレ洗剤/漂白剤/パイプクリーナー/エタノール/菌シート/除菌・消臭スプレーなど

菌を殺すが薬品にしか使えない「殺菌」

殺菌とは文字通り「菌を殺す・死滅させる」ことです。ただし、何をどのくらい死滅させるかという規定はありません。医薬品である消毒薬などで使われています。薬用せっけんなどの医薬部外品でも使えますが、洗剤や漂白剤などの「雑貨品」にはこの表現を使うことができません。
大気中に存在するオゾンも殺菌に使われることがあります。速い反応で細菌を破壊し死滅させますが、その際に有害な物質を生み出さないの、で医療用や園芸用の殺菌薬に使われています。

「殺菌」の製品例
うがい薬/消毒用エタノール/薬用せっけん/クレゾール/傷薬/園芸用殺菌剤など

病気の原因になる微生物を除去する「消毒」

病原性微生物を死滅、除去してその毒性を無力化することを「消毒」といいます。消毒すると、人体への害がなくなったり感染が広まるのを防いだりすることができます。
消毒も殺菌と同じように、薬事法で使用範囲を決められた表現です。「消毒殺菌」と二つを一緒にして使われることもあります。
「消毒する」という言い方は世間一般でよく使われますが、本来なら法律で定められた薬品にしか使用できません。

「消毒」の製品例
うがい薬/消毒用エタノール/薬用せっけん/クレゾール/傷薬など

梅雨の時季に活躍する「抗菌」「除菌」

ジメジメした季節に気になるカビやヌメリ・悪臭の原因の多くは、菌などの微生物です。その原因を増やさないためにも、抗菌・除菌製品を活用しながら水まわりを清潔に保ち、梅雨シーズンを快適に過ごしたいですね。

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